刑務所のルールブック
アメリカ大リーグへの移籍が決まった抑えのエース(ピッチャー)のキム・ジェヒョクが主人公。野球以外は何もできず、普段は何も考えてないただのバカと周りから言われている。母親に言われるがまま、地方からソウルへと引っ越した妹の様子を見るため訪ねていく。すると、妹が何者かに襲われているところに遭遇し、犯人ともみ合いになり大怪我をさせてしまう。運悪く犯人は意識が戻らず死亡。主人公は逮捕され懲役刑となり、大リーグへの移籍チャンスも失う。
ジェヒョクの有罪判決が確定し、西部刑務所に収監されると、そこに小学生から一緒に野球をしたチョン・ギョンホ演じる親友のイ・ジュノが刑務官としてやって来る。ジェヒョクとは拘置所で再開していたのだが、ジェヒョクの力になりたいと、自ら西部刑務所に異動して来たのだった。ジェヒョクの監房には、キャラの強い受刑者達がいた。キム・ミンチョルは、監房のリーダー的存在の元ヤクザ、殺人罪で長期収監。現在はすっかり丸くなって誰よりも過去の自分を反省し、真面目に刑務所生活を送る。カン・チョルトゥは、元自称エンジニア、詐欺賭博罪で収監。舌足らずなので仲間から良く発音をからかわれる。ユ・ハニャンは、高学歴の元薬剤師、麻薬使用罪で収監。禁断症状に苦しむ。とても甘えん坊だが、余計な一言を言ってしまうため、周りの人を怒らせる。コ・パクサは、元建設会社の課長、背任横領罪で収監されているが、実は会社のためだと上司に言われ、会社の不祥事を一人で被ってしまっていた。生真面目で所内のルールを守らないと気が済まない。ジェヒョクは、コ・パクサに何かと助けられる。イ・ジュヒョンは、パンを盗み窃盗罪で収監。ミンチョルを父の様に慕う。イ・ジュヒョンが出所すると、元陸軍大尉、傷害致死罪で収監のユ・ジョンウがジェヒョク達の房に移送されてくる。ジョンウは、無罪を訴え兄が控訴を準備中。部下達の嘘の証言によって誰からも信じてもらえず、世間からは悪魔のユ大尉と非難され深く傷ついたジョンウは、心を閉ざし、怒りを抱えたまま日々を過ごしている。刑務官達も人間味あふれた人が多く、監獄の陰湿なイメージとは異なる。
この物語は、刑務所に収監されている人々の人生を描いたものです。これも「応答せよ」シリーズの監督の作品です。OSTに収録されていない曲で、Panicの「かたつむり」という古い曲が耳に残りました。登場人物のキャラ設定が面白い。お笑いのコントみたいなのが沢山盛り込まれてます。刑務所内の話なので、やはりえげつない場面も出てきますが、主人公がうまくかわすところが痛快です。主要な登場人物それぞれの物語が描かれているので、展開も早いです。私は、2日かけてイッキ観してしまいました。刑務所内の出来事という題材に興味がなく避けていたのですが、試しに観てみたらハマりました。チョン・ギョンホがいい味出してます。「応答せよ」シリーズと同じ監督です。