天上の花園

チョン・ジェインは、夫が収監されてしまい、10年間絶縁状態だった田舎の父親、ブシクに二人の子供ウンスとヒョンスを預ける。ジェインは保釈金を工面し夫を迎えに行くが、一歩先に来ていた女性と夫が車に乗り込むのを目撃する。その頃、父親に預けていた下の子ヒョンスが怪我をしたままいなくなる騒ぎが起こっていた。姉のウンスは自分の責任だと自分を責める。ヒョンスの失踪の知らせを聞いたジェインは、すぐに田舎に戻る。おじいさんに受け入れられていないと感じたウンスは、自分が連れ子で母親とは血の繋がりがないからだと、子供ながらに悩んだ挙句、一人でソウルに戻り実の母親を訪ねる。しかし、期待外れの反応に傷つき、ひとり街中で途方に暮れる。そこにおじいさんから帰って来いという電話が来る。この一件で、ぎこちなかったブシクと子供達の距離も近くなる。ジェインはソウルで生活を立て直そうと、子供達を連れて父に別れを告げる。短い滞在だったが、田舎村のコンベリョンでの暮らしが気に入った子供達。子供達の説得に負け、夫の嘘に疲れ傷ついたジェインは、荷物をまとめてコンベリョンに越してくる。中々近所に受け入れてもらえず、人間関係に苦労するジェインだったが、困ってる人を見ると放っておけず、何かとお節介をやくうちに、村に馴染んでいく。ブシクと暮らすうち、本当の父親の姿が見えてきてジェインは父の事を誤解していたのだと気づく。ブシクはブシクで、家族に対する愛情や感謝を、表現しなさすぎた事を後悔する。そんな折、ジェイの夫のカン・テソプがコンベリョンに訪ねてきてブシクの先祖が所有していた土地をめぐり村中をひっかき回した挙句、借金をしてしまう。ブシクは借金をかたがわりし、何とか騒動を納めるのだった。

苦手な高校の日本史の授業で唯一覚えているのが、「一所、懸命の地」という言葉です。武士が使った言葉で、一箇所の土地を命をかけて守るというような意味合いだったと思います。土地の所有が生活に直結していた時代の言葉でしょう。ブシクや村の人たちの様子からこの言葉を思い出しました。このドラマは、脚本家の橋田壽賀子先生の脚本に似ています。意地悪をする人は、それなりに理由があったり、改心したり、真の悪人が登場しません。刺激的な事件は起きませんが、ほっこりとしたい時に観るのに適したドラマです。