静かなる海
世界中の水不足が深刻になる。降水量が激減し、地球の水は10年で40%減少すると予測されていた。汚染水の使用による感染症や疾患のため乳児の死亡率が最悪となる。また、水不足による食糧の減少。飲料は政府から等級により分配量が決められている。等級の低い庶民には僅かな量しか配分されない。
宇宙航空局よりあるミッションのため、チームが編成されペ・ドゥナ演じる、ソン・ジアン博士が招集された。任務地が、5年前に姉を含め117名の研究員が亡くなったパレ基地(月面基地)だと知り、参加を決意する。任務は、放射能漏れにより閉鎖中のパレ基地を永久閉鎖するにあたり、基地に残された重要なサンプルを回収し、24時間以内に帰還すること。サンプルは、カプセルに収納されているが、具体的にどんなサンプルかは不明とのこと。恐らくサンプルの実体は国家機密なのだろう。前振りからして、水に関係するものに違いない。
ミッションは、成功するのか。サンプルの実体は?5年前の真相は?
SF作品は、子供の頃に観た「スタートレック」と2013年放映の「ゼロ・グラビティ」位しか記憶に無い。なので、私の中ではSFというと宇宙人との交流か、パニック映画というくくりになる。恐らく、宇宙を表す映像がSF映画の成功の鍵となるのではないだろうか。「静かなる海」は、水不足という環境汚染のテーマと、月に資源を求める人間の欲を描いているのだと思う。終わり方がハリウッド的な分かり易いものでは無く、視聴者に考えさせるような作りになっている。実際、あれこれ考えてみた。数年前に目にした、北海道の森林が外国資本に買われているという記事を思い出した。中国のような共産主義国家では、個人の土地使用が認められていないため、外国の土地を買う富裕層がいるそうだ。先進国では、外国人の土地保有に関する様々な規制がある中、日本では土地の所有者の権利が大きいそうだ。(ここ3、4年の間に自治体が規制を設けるなど対策を取り始めているらしい。)しかも、森林となると、水資源が豊富な事は言うまでもない。壮大な土地があるにも関わらず環境汚染で将来の水不足に備えた動きではないかという意見がある。中国人の森林買収率は、他の外国人よりも高いのは確かなようだが、水資源を狙ったものだという根拠は無い。興味のある方は、林野庁のプレスリリースや、過去の記事を見て下さい。(むやみに不安を煽るような記事もあるので、記事のソースは選んでね。)
環境問題にもっと興味を持っていこうと思います。
「静かなる海」に話題を戻します。スペースシャトルの中の機器と、スペースシャトルが、制御不能になった状態を外から映した画像はちょっとクオリティが低かったですが、その他は韓国のエンタメはハリウッドに引けを取らないと思いました。ネタバレになるので詳しくは言えませんが、最後のシーンは、「再生」を意味しているのかもしれない。
韓国ドラマらしいスピード感のあるシーンと、心情を表現するゆっくりとしたシーンのメリハリが良かった。SF好きにはもしかしたら物足りないかもしれませんね。