For Life シーズン1〜2
クラブ経営者のビジネスマン、アーロン・ウォレスは、麻薬の売人として終身刑となり9年後、自らの冤罪を晴らすため弁護士資格を取得する。漸進的な刑務所長の後ろ盾の下、アーロンは、刑務所内にいる彼と同様に冤罪に苦しめられている受刑者達の弁護を開始する。弁護士として少しづつ成功を収めていくうちに、自身の事件の背後にいる人物と検察の構図が見え始める。嘘の証言、買収された証人、警察、検察など、不正のオンパレード。テンポ良く進み、逆転劇も多いので、イッキ観してしまうかも。
このドラマは、実際に刑務所内でパラリーガルとして活躍したアイザック・ライトJr.の実話に着想を得て書かれたフィクション。2020年に米国でアフリカ系アメリカ人男性が、白人警官から暴行を受けて死亡した事件をきっかけに巻き起こった、Black Lives Matter (BLM)運動が、近年日本でも報じられるようになりました。是非、ご覧いただきたい作品です。印象的だったのは、シーズン2のある事件の法廷での最終弁論です。「黒人の子供は10歳頃になると、必ず教わることがある。それは、警察に逮捕された時の対処法です。手はポケットから出す。警官への返事は丁寧に。敬意を示し、従順に。」子供の頃に警官の差別から身を守る方法を教えられるとは、子供にとってはショックだろう。アメリカの奴隷制度は南北戦争終結後、1865年アメリカ合衆国憲法修正13条の成立で正式に廃止された。しかし、157年経過した今も課題が山積している。