ヒーラー
主人公は、チ・チャンウク演じる闇の便利屋、ソ・ジョンフ。通称ヒーラーで通っている。やってる事は泥棒と同じ?なのに、何故かカッコ良いスパイみたい。相手役の女性は、パク・ミニョン演じるチャ・ヨンシン。両親を幼い時に亡くし、養父母に育てられた。社会派ジャーナリストを目指すも、現実は芸能人のスキャンダルスクープを追う毎日。ヒーラーはある日、依頼を受けヨンシンの職場に新人記者として潜入する。ヒーラーとヨンシンの父親は、仲間と言論が統制されていた時代(大韓民国第11、12代大統領、全斗煥、1980年ー1988年)に短波放送で政治批判を行うジャーナリストとカメラマンだった。物語が進むと二人の父親と、その仲間の関係が徐々に明らかになっていく。ヒーラーは父親に殺人容疑がかけられたまま亡くなった事を知り、真相を究明しようとする。その背後にいる巨悪は一体誰なのか。ヒーラーとヨンシンは、お互いの過去を知らないまま惹かれ合う様になる。二人のロマンスもこのドラマの核となっている。
全斗煥の政策は、経済成長に重きをおき、徹底的な言論統制を行ったことで知られている。韓国経済の成長に貢献してきた現在の韓国の財閥企業がどの様に財を成してきたか本当のところは分からないが、韓国国民が少なからずも、財閥に対する憧れと憎しみを抱いていることは確かだろう。全斗煥時代を象徴する「光州事件」を題材にした映画が多数ある。例えば、「タクシー運転手」。光州事件から1年後の釜林事件を描いた「弁護人」。いずれも名優ソン・ガンホが主役を務める。時代背景に興味がある方は是非、観ていただきたい映画です。「ヒーラー」は、ドラマのジャンルの好みに関わらず、楽しめる作品だと思います。